小学校の夏休み。
小学校1年生の夏休みは毎日図書館で過ごした。母親が仕事に行く時に図書館へ送られ、帰りに拾ってもらっていた。お昼は母親の作ってくれたお弁当を飲食出来るスペースで食べていたが、可哀想に思ったらしい綺麗な若いお姉さんがスタッフスペースに連れて行ってくれて一緒にお昼ご飯を食べてくれた。
2年生の夏休みも同じ様に過ごす私を見兼ねた母親が、1枚の紙を見せてきた。
「おぢばがえり行く?」
「? 行く!」
おぢばがえり。
簡単に言えば天理教主催で夏に行われる子ども達のイベント。
家族に天理教信者はいない。なんとなくそういうのに寛容だから昔から近くの支部の人たちについて父や兄たちが行っていたようだ。
10年の時を経て、娘もいざ行かん。
5泊6日で知らない人たちと奈良に行く。見送る母親に手を振りながら号泣する7歳の私。
天理市までは寝台列車だった。宗教団体貸切の寝台列車とか大人になって思えば怖い。
天理教では朝と夜に「おつとめ」をする。
寝台列車の中でも時間になるとスピーカーから音が流れてきて、正座をして「おつとめ」。「おつとめ」を知らない私も見様見真似でする。
「おぢば」方面に向かって行うので、進行方向に向かって皆正座。
「おつとめ」はお祈り的なやつ。
「おぢば」は神様的なのがおわすところ。
ざっくり言うと。
小学校2年生から6年生まで毎年行った夏休みの思い出。夏休みの思い出が寧ろこれくらいしかない。
おぢばがえりでしたこととかはまたその内に。
廊下を雑巾掛けするイベントとか2人1組で土を運ぶイベントとか。パレードとか。お化け屋敷とか。
宗教とかよく分かっていなかったからか、普通に楽しかったしUSJとかついでに連れて行ってくれたのでいい思い出。いい人たちばっかりだったし。
あと、天理市の街並みが異界過ぎてかっこいい。幼い私には勿体無い。もう1度見に行きたい。ぜひ写真検索してみて下さい。異世界。
私は特に何の信仰もありません。念の為。